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藤田 充苗*; Xu, Y.*; 加治 芳行; 塚田 隆; 益子 真一*; 小野瀬 庄二*
RIST News, (38), p.3 - 14, 2004/11
物質・材料研究機構,日本原子力研究所,核燃料サイクル開発機構の3機関が共同して、インターネットから相互利用可能な分散型材料データベースシステム(データフリーウェイ(DFW))の開発を平成2年から進めてきた。現在3機関が共同してDFWの充実や公開運用管理を進めるとともにDFWから得られる知識の分散型知識ベースの開発を行っている。DFWの構築開始当時から現在までの約15年間にネットワーク技術や情報提供と獲得技術は急速に発展し、社会に大きな変革をもたらし、われわれの日常生活も様変わりした。DFWとこれらの変革とのかかわりを示すとともに、現状を述べ、材料データベースの将来展望についても言及する。
鈴木 覚; 佐藤 治夫
JNC TN8410 2001-028, 36 Pages, 2002/03
高レベル放射性廃棄物の地層処分における多重バリアシステムの性能評価を目的として、ベントナイトの透過拡散試験により様々な核種の実効拡散係数が取得されている。最近、従来から機構内で行われている方法(非循環型透過拡散試験システム)で、陽イオン(セシウムとストロンチウム)の透過拡散試験を行ったところ、既存の研究結果と全く異なる結果が得られることがわかった。この原因として、透過拡散試験システムの違いが考えられるため、新たに循環型透過拡散試験システムを製作し、拡散試験結果と試験方法の関係について検討した。従来の非循環型と循環型透過拡散試験システムの両者でベントナイトの拡散試験を行ったところ、ストロンチウムの実効拡散係数と塩濃度の関係および拡散係数の絶対値が、試験システムにより全く異なることが明らかになった。現状では、境界条件をより精密に制御できるという点から、循環型透過拡散試験システムの方が正しい結果を与えていると考えられる。また、循環型透過拡散試験システムにおいては、拡散セルと貯留容器が分離しているという利点を生かして、境界条件の制御方法の改良と、温度制御下での拡散係数の取得方法を提案した。
棚井 憲治; 堀田 政國*; 出羽 克之*; 郷家 光男*
JNC TN8410 2001-026, 116 Pages, 2002/03
地下構造物は、地上構造物に比較して耐震性が高く、耐震性を検討した事例は少なかったが、兵庫県南部地震で開削トンネルが被災したため、地中構造物の耐震設計法に関する研究が精力的に実施され多くの知見が得られてきている。しかし、ほとんどの研究は比較的浅い沖積地盤における地中構造物の地震時挙動を対象としたものであり、深部岩盤構造物の地震時挙動についての検討はあまり実施されていないのが実情であるため、深部岩盤構造物の明確な耐震性評価手法が確立しているとは言い難い。一方、高レベル放射性廃棄物の地層処分場は、地下深部に長大な坑道群が建設されることとなり、また、これらの坑道内にて操業が行われることとなる。さらに、建設開始から操業及び埋め戻しまでを含めた全体的な工程は、おおよそ60年程度とされている(核燃料サイクル開発機構、1999)。これらの期間中においては、施設の安全性の観点から、地下構造物としての耐震性についても考慮しておくことが必要である。そこで、地層処分場の耐震設計に関する国の安全基準・指針の策定のための基盤情報の整備の一つとして、既存の地下構造物に関する耐震設計事例、指針ならびに解析手法等の調査・整理を行うとともに、今後の課題を抽出した。また、これらの調査結果から、地下研究施設を一つのケーススタディーとして、地下構造物としての耐震性に関する検討を実施するための研究項目の抽出を行った。
杉田 裕; 油井 三和
JNC TN8450 2001-007, 16 Pages, 2002/02
本資料は、地層処分研究開発第2次取りまとめ-分冊2 地層処分の工学技術-の中の設計用岩盤特性値で示されている硬岩系岩盤、軟岩系岩盤の一軸圧縮強度と圧裂引張強度の関係のデータセットである。
大西 徹; 槇 彰; 柴田 里見; 八戸木 日出夫; 乳井 大介; 橋本 孝和; 福田 一仁
JNC TN8410 2001-023, 188 Pages, 2001/11
本資料は、平成13年10月11日に日本原燃(株)六ヶ所本部再処理事業所にて開催した「第四回東海再処理施設技術報告会」の予稿集、OHP、アンケート結果を報告会資料としてまとめたものである。第四回は、「東海再処理施設の保全・補修実績」について東海再処理施設においてこれまでに得られた技術・知見等の報告を行ったものである。
not registered
JNC TN1400 2001-015, 509 Pages, 2001/10
平成8年度平成12年度の核燃料サイクル開発機構における安全研究は、平成8年3月に策定(平成12年5月改定2)した安全研究基本計画(平成8年度平成12年度)に基づき実施した。本報告書は、核燃料サイクル分野(核燃料施設、環境放射能及び廃棄物処分分野の全課題並びに耐震及び確率論的安全評価分野のうち核燃料サイクル関連の課題)について、平成8年度平成12年度の5ヵ年の研究成果を安全研究基本計画(平成8年度平成12年度)の全体概要と併せて整理したものである。
not registered
JNC TN1400 2001-014, 437 Pages, 2001/10
平成8年度平成12年度の核燃料サイクル開発機構における安全研究は、平成8年3月に策定(平成12年5月改定2)した安全研究基本計画(平成8年度平成12年度)に基づき実施した。本報告書は、動力炉分野(新型転換炉及び高速増殖炉分野の全課題並びに耐震及び確率論的安全評価分野のうち動力炉関連の課題)について、平成8年度平成12年度の5ヵ年の研究成果を安全研究基本計画(平成8年度平成12年度)の全体概要と併せて整理したものである。
永里 良彦; 山口 俊哉; 藤田 秀人; 大森 栄一
JNC TN8410 2001-021, 33 Pages, 2001/09
原子力施設から放出されるC-14は、環境への蓄積及び食物連鎖を通じての内部被ばくの観点から安全評価上重要な核種であり、東海再処理施設においては、平成3年10月から再処理施設から放出される放射性気体廃棄物に含まれる主要な核種として定常的な測定を開始している。一方、再処理施設内においては、C-14の工程内での挙動を解明するため、文献調査を行うとともに、実際の使用済燃料の再処理運転を通じて工程内での分配、挙動等について調査を行った。東海再処理施設におけるC-14の挙動調査結果から得られた結果をまとめると、以下のとおりである。1.使用済燃料のせん断処理により放出されるC-14はわずかであり,使用済燃料に含まれるC-14の大部分は、溶解処理に伴い発生する溶解オフガスとともに溶解オフガス処理工程へ移行する。溶解オフガス処理工程へ移行したC-14は、アルカリ洗浄塔などで一部が捕獲されたのち、残りが主排気筒から放出される。主排気筒からのC-14の放出量は、使用済燃料処理1トンあたり約4.16.5GBqであった。2.溶解オフガス処理工程及び槽類オフガス処理工程のアルカリ洗浄塔で捕獲されたC-14は、低放射性廃液貯槽に移行する。同貯槽への移行量は、使用済燃料処理1トンあたり約5.49.6GBqであった。3.使用済燃料の処理に伴い主排気筒から放出されたC-14と、低放射性廃液貯槽へ移行したC-14の合計を再処理施設へのC-14の入量とすると、使用済燃料1トンあたりのC-14は約11.915.5GBqとなった。また、この結果をもとにC-14の生成に寄与する照射前燃料中の窒素含有率を推定すると15 22ppmとなった。4.低放射性廃液貯槽の廃液は,蒸発缶により蒸発濃縮され、この際、C-14のほとんどは低放射性の濃縮液へ移行する。5.平成6年度以降、ガラス固化技術開発施設の運転に伴い第二付属排気筒からのC-14の放出が確認されており、その放出量はガラス固化体1 本を製造するにあたり約0.6GBqであった。
技術協力課*
JNC TN1400 2001-013, 70 Pages, 2001/08
機構は、機構が取り組む研究開発プロジェクトに関する基礎・基盤的研究を大学及び研究機関(以下「大学等」という。)と研究協力を図り進めている。本報告書は、平成12年度に実施した大学等との共同研究14件の実施結果についてその概要をまとめたものである。なお、本報告書には、核燃料サイクル公募型研究及び先行基礎工学研究により進めている大学等との共同研究については除いている。
技術協力課*
JNC TN1400 2001-011, 129 Pages, 2001/07
機構は、博士の学位をもった若手研究者に研究環境を提供し、人材育成を図るため、平成9年度から博士研究員制度を導入し、平成12年度で4年目を迎えた。同制度は、機構の先導的、基礎・基盤的な研究業務に関連して、独創性に富んだ若手研究者が23年間の期間に機構の承認した自らの研究テーマを自主的に遂行し、研究者としての業績を得るとともに、機構の研究業務を効率的に推進することを目的としている。本報告書は、平成12年度に実施した博士研究員による16件の研究テーマの実施結果についてその概要をまとめたものである。なお、16件の研究テーマのうち、6件の研究テーマが平成12年度で終了した。
技術協力課*
JNC TN1400 2001-010, 254 Pages, 2001/07
機構は、大学及び研究機関(以下「大学等」という。)との研究協力の推進を図るため、平成7年度から先行基礎工学研究制度を発足させた。同制度は、平成12年度で6年目を迎え、対象としている研究分野は機構の研究開発に係わるすべての分野に拡大している。同制度は、機構の施設及び設備を主に利用し、機構が取り組む研究開発プロジェクトに先行した基礎・基盤的研究を大学等との研究協力により推進することを目的とする。同制度では、機構が設定した研究協力テーマに対して、大学等から研究目的を達成する上で必要な研究協力課題を提案して頂き、外部の専門家を中心とする選考委員会で研究協力課題を選考している。研究協力形態としては、大学等との共同研究の実施または客員研究員として受け入れる形態を採用している。なお、共同研究または客員研究員に大学院修士課程・博士課程の学生を研究生として加えることも可能としている。本報告書は、平成12年度に実施した高速増殖炉関係、核燃料サイクル関係及び環境技術関係の先行基礎工学研究に関する45件の研究協力課題の実施結果についてその概要をまとめたものである。なお、45件の研究協力課題のうち高速増殖炉関係の8件、核燃料サイクル関係の2件及び環境技術関係の4件の合計14件については平成12年度で終了した。
伊東 康久; 野田 喜美雄; 菊地 正行; 石川 久
JNC TN8410 2001-018, 67 Pages, 2001/04
プルトニウム燃料工場屋外器材ピット(Bピット)(以下「Bピット」という。)の廃棄物取出し作業は、平成9年9月、安全総点検において確認事項として摘出し、一般作業計画により平成10年6月8日から開始された。平成10年6月25日、廃棄物整理作業中、廃棄物中に放射能汚染物を発見し、さらに、作業者3名の作業衣及び靴底等にも汚染が検出された。作業者の身体サーベイ、鼻スミヤの結果、また、肺モニタ及び精密型全身カウンタでの測定の結果、皮膚汚染はなく内部被ばくもなかった。発見された汚染物等について、核種分析測定を実施したところ、プルトニウムによる汚染と判明した。その後、Bピット内の放射線モニタリングを実施し、廃棄物表面から有意な値(放射能:8.210-3Bq/cm2、放射能:1.210-2Bq/cm2)を検出したことから当該廃棄物について、核種分析測定を実施したところ、プルトニウムを確認した。なお、廃棄物周辺の線量当量率、空気中放射性物質濃度については検出下限値未満であった。上述のとおりピット内に保管されていた廃棄物の一部の表面に汚染が検出されたため、6月25日にテントハウス内を一時管理区域に設定し、ピットからの汚染拡大防止策として、ピット上部をビニルシート及び防炎シートにて密封した。その後の廃棄物取出し作業は、ピット上部に作業囲いを設置し、作業囲い内にグリーンハウス(以下「GH」という)を3段(GH-1.2.3、ピットはGH-1内)設置して、特殊放射線作業で実施した。作業区域の空気中放射性物質濃度の管理は、GH-1内を連続監視ができるようにダストモニタを設置し、その他についてはエアスニッファを設置して実施した。線量当量率、表面密度の管理は、定点を定め測定した。また、ピット内は第2種酸素欠乏危険場所として指定し、有毒ガス及び酸素濃度の管理が行われた。作業は防護装備を全面マスク及びタイベックスーツ並びに保護手袋着用とし、3名/班で実施された。作業中、毎日GH-1.2.3内の放射線状況を確認し作業者へ周知してきた。放射線状況は全て検出下限値未満であった。廃棄物取出し作業は平成10年11月中旬に終了し、ピット内の清掃後、平成10年12月初旬からピット内の汚染検査及び一時管理区域解除の為の処置を実施して、平成11年1月13日に屋外器材ピット(Bピット)の一時管理区域を解除した。取
井崎 賢二; 野田 喜美雄; 岩田 克弘; 樫村 義雄*
JNC TN8410 2001-005, 30 Pages, 2001/01
本報告書では、放射線管理業務の中でも重要な排気中放射性物質濃度の管理について、その技術を向上させるため、施設内における自然放射能の挙動解析を行うとともに、解析結果から「排気モニタバックグラウンド(自然放射能による計数)の低減化手法」及び「排気ダクトなどのリーク判定手法」について検討し、報告する。排気モニタのバックグラウンドの低減化については、排気サンプリング位置を変更すること等によって可能であり、施設の新設時及び排気モニタの更新時にその手法を適用することができる。また、排気ダクトなどのリーク判定については、排気ろ紙に捕集された自然放射能の核種分析等を行うことによって容易に行えるものであり、施設運転の安全確保及び放射線管理技術の向上にも役立つものである。
船坂 英之; 此村 守; 川妻 伸二
JNC TN1200 2001-002, 209 Pages, 2001/01
2000年5月29日6月l日の4目間にわたり、ロシア・モスクワ市内の政府迎賓館において開催された、ロシア原子力省主催(MlNATOM)の「大規模エネルギー源として経済的で核不拡散性があり固有の安全性と環境への安全性を備えた原子炉及び核燃料サイクル」セミナーに参加した報告である。
野田 宏; 稲垣 達敏*
JNC TY1400 2000-004, 464 Pages, 2000/08
核燃料サイクル開発機構(JNC)と日本原子力発電株式会社(原電)は、協力協定を締結してJNCと電気事業者の連携を強化するとともに関係機関の参画も得て、1999年7月から高速増殖炉サイクル(FBRサイクル)の実用化戦略調査研究の推進組織を発足させ、その後、原研の協力も得てオールジャパン体制で研究開発を進めている。本研究のフェーズI(1999年度、2000年度の2年間)においては、FBR、再処埋および燃料製造の各システム技術について、革新技術を採用した幅広い技術的選択肢の評価を行い、安全性の確保を前提とし、経済性、資源有効利用性、環境負荷低減性および核拡散抵抗性の5つの視点から、有望なFBRサイクルの実用化候補概念を抽出し、その研究開発計画を策定することとしている。本報告書は、本研究のフェーズIの初年度に得られた成果をもとに、中間報告書として取り纏めたものである。概要は以下のとおり。FBRは中性子経済が優れていることから、プルトニウムの増殖やTRUの燃焼、長半減期の核分裂生成物(FP)の核変換等を行える特長を有しており、これらの性能は炉心設計が決めることになる。そこで、燃料形態(酸化物、窒化物、金属)と冷却材(Na、重金属、ガスなど)を組合せて炉心性能を評価し、FBRの特長を最大限生かせるように、有望な燃料形態と冷却材の組合せを評価した。FBRプラントシステムの検討では、安全性の確保を前提として、将来の軽水炉と比肩し得る経済性を実現するための経済性向上方策の摘出を重視して、有望なFBRプラントシステム概念を抽出した。2000年度には抽出したこれらの候補概念について、詳細な検討を進めていくこととしている。燃料サイクルシステムの検討では、これまで開発を進めてきた湿式再処理法(PUREX法)、ペレット燃料製造法の合理化を図るとともに、新たに乾式再処理法、振動充填燃料製造法等を対象に、技術的成立性、経済性などを評価した。これまでの検討の結果、各候補概念に対する技術的成立性の見通しと間題解決の方向性が示されていることから、2000年度に継続して詳細検討を実施することとしている。2000年度には、これら各システムの整合性を考慮して、FBRサイクルとしての総合評価を行い、実用化候補概念の抽出を行う。
野田 宏; 稲垣 達敏*
JNC TY1400 2000-003, 92 Pages, 2000/08
核燃料サイクル開発機構(JNC)と日本原子力発電株式会社(原電)は、協力協定を締結してJNCと電気事業者の連携を強化するとともに関係機関の参画も得て、1999年7月から高速増殖炉サイクル(FBRサイクル)の実用化戦略調査研究の推進組織を発足させ、その後、原研の協力も得てオールジャパン体制で研究開発を進めている。本研究のフェーズI(1999年度、2000年度の2年間)においては、FBR、再処埋および燃料製造の各システム技術について、革新技術を採用した幅広い技術的選択肢の評価を行い、安全性の確保を前提とし、経済性、資源有効利用性、環境負荷低減性および核拡散抵抗性の5つの視点から、有望なFBRサイクルの実用化候補概念を抽出し、その研究開発計画を策定することとしている。本報告書は、本研究のフェーズIの初年度に得られた成果をもとに、中間報告書として取り纏めたものである。概要は以下のとおり。FBRは中性子経済が優れていることから、プルトニウムの増殖やTRUの燃焼、長半減期の核分裂生成物(FP)の核変換等を行える特長を有しており、これらの性能は炉心設計が決めることになる。そこで、燃料形態(酸化物、窒化物、金属)と冷却材(Na、重金属、ガスなど)を組合せて炉心性能を評価し、FBRの特長を最大限生かせるように、有望な燃料形態と冷却材の組合せを評価した。FBRプラントシステムの検討では、安全性の確保を前提として、将来の軽水炉と比肩し得る経済性を実現するための経済性向上方策の摘出を重視して、有望なFBRプラントシステム概念を抽出した。2000年度には抽出したこれらの候補概念について、詳細な検討を進めていくこととしている。燃料サイクルシステムの検討では、これまで開発を進めてきた湿式再処理法(PUREX法)、ペレット燃料製造法の合理化を図るとともに、新たに乾式再処理法、振動充填燃料製造法等を対象に、技術的成立性、経済性などを評価した。これまでの検討の結果、各候補概念に対する技術的成立性の見通しと間題解決の方向性が示されていることから、2000年度に継続して詳細検討を実施することとしている。2000年度には、これら各システムの整合性を考慮して、FBRサイクルとしての総合評価を行い、実用化候補概念の抽出を行う。
越塚 誠一*; 向原 民*; 岡野 靖; 飯田 将雄*; 山口 彰
JNC TY9400 2000-012, 91 Pages, 2000/03
液体ナトリウムの漏洩燃焼挙動の解析には、ナトリウム液滴やナトリウムプールの燃焼、床に落下したナトリウムの広がり、燃焼生成物の堆積など、様々な現象を複合して解析する必要がある。特に、床ライナーの温度分布の評価には、落下したナトリウムがどのように広がるかが重要である。核燃料サイクル開発機構では、こうした複雑な液体ナトリウム漏洩燃焼挙動解析のため、粒子法による計算コードを開発している。粒子による熱流動解析手法は東京大学において本研究者らによって開発されたもので、従来の差分法などと比較して、流体の分裂・合体や堆積・凝固を容易に扱うことが可能である。本研究では、ナトリウムの凝固や燃焼生成物の堆積挙動を解析するため、固相の粒子計算モデルの開発、これを利用した凝固・堆積の粒子計算モデルの開発、表面張力の粒子計算モデルの開発をおこなった。固相の解析のため、ヤング率とポアッソン比で記述される弾性体の運動を、粒子間相互作用で計算するモデルを新たに開発した。この方法では、従来の有限要素法での要素分割の必要がないので、弾性体の大変形のみならず、破壊なども容易に解析できる。特に粒子に回転の自由度を持たせたことで、角運動量の保存性が得られた。弾性体に正弦波状の変位を与え本計算モデルを適用したところ、応力分布や圧力分布は解析解と良く一致した。凝固を伴う熱流動解析法として、熱流動をこれまでの粒子法(MPS法)で、凝固した後の固相を弾性体として解析するモデルを開発した。初期に幅10cm高さ20cmの2次元矩形状液体ナトリウムの、厚さ1cm長さ1mのステンレス板上での広がり挙動を、本手法を用いて計算した。仮にナトリウムおよびステンレスの熱伝導率や粘性を実際よりも大きな値を用いると、先端が凝固することにより、ナトリウムの広がりが抑制されるという結果が得られた。なお、本計算モデルは燃焼生成物の堆積挙動にも適用できる。表面張力の効果を取り入れるため、その粒子計算モデルを開発した。液面形状を描かずに粒子数密度から曲率など必要な微分幾何の諸量を計算するアルゴリズムとし、流体が分裂や合体をする場合にも適用できるようにした。エタノール液滴の振動の計算をおこない、従来のVOF法による結果と良い一致を得、モデルが妥当であることを示した。さらに、表面張力が卓越する場合の流体の広がり挙動を解析し、広がった流体が複数の液滴
榎 学*; 岸 輝雄*; 川崎 弘嗣; 青砥 紀身
JNC TY9400 2000-010, 138 Pages, 2000/03
本研究では構造物および材料におけるき裂の発生、伝播を検出するシステムについての検討を行った。まず、プラント機器のように過酷な環境で適用することを考慮して、レーザー干渉計を用いて非接触で破壊を検出・評価することを試みた。He-Neレーザーを用いたヘテロダイン型の干渉計により、材料中を伝播してきた弾性波を検出できることを確かめ、この干渉計を4チャンネル用いる非接触AE波形計測システムを構築した。このシステムをアルミナコーティング材の熱応力破壊に適用した。試験片の冷却時に界面近傍に発生する微視割れによるAE波形を検出でき、また逆問題解析を行うことにより、微視割れの発生時刻、発生位置、大きさおよび破壊モードが評価可能となった。このように、レーザー干渉計によるAE波形定量評価システムが開発でき、その有効性が確かめられた。次に、き裂発生を予測するため、ミクロき裂が発生する以前の損傷変化を検出することを試みた。繰り返し熱過渡負荷を受けた構造物を用いて、超音波検出試験とその波形解析、およびき裂の発生した近傍の微小硬さ計による硬さ測定を行った。超音波エコーのウェーブレット解析により得られた音速は、き裂発生以前の損傷を検出できた。また、粒界上の微小硬さ変化から、き裂発生を推定できる見通しがある。
藤井 靖彦*; 赤塚 洋*; 野村 雅夫*; 鈴木 達也*; 佐分利 禎*; 徳浪 理恵*; 田中 拓
JNC TY9400 2000-009, 41 Pages, 2000/03
再処理プロセスにおける構造材のように、線照射下にある金属材料は電子に起因する化学作用が想定される。特に、硝酸溶液などの種々の分解生成物が生じ、金属材料に作用するおそれがある。このような分野の研究の手段として核燃料サイクル開発機構の大電流電子線加速器を用いた線環境下における材料腐食機構の解明および材料評価システムの構築を目指して研究を行う。本報告書では、その予備実験として東京工業大学のプラズマ実験装置を用いて金属材料の酸化現象について研究を行い、電子の影響について議論した。
電気事業連合会*
JNC TY1400 2000-001, 464 Pages, 2000/03
再処理施設やMOX燃料加工施設から発生する超ウラン(TRU)核種を含む放射性廃棄物のうち、核種の濃度が一応の区分目安値(約1GBq/t)を超え、浅地中処分以外の地下埋設処分が適切と考えられる廃棄物(以下、本検討書では「TRU廃棄物」という)については、「高レベル放射性廃棄物の処分方策との整合性を図りつつ、1990年代末を目処に具体的な処分概念の見通しが得られるよう技術的検討を進める」という原子力委員会の方針に従い、これまで関係各機関において研究開発が進められてきた。これらの研究開発成果を集約し、国の総合的なTRU廃棄物の処分方策の策定及び核燃料サイクル事業の円滑な推進に資するため、核燃料サイクル開発機構及び電気事業者等は、「TRU廃棄物処分概念の取りまとめに関する協力協定」を平成9年6月24日に締結し、「共同作業チーム」を編成して平成11年度末を目途にTRU廃棄物処分の具体的方法とその安全性の見通しに関する技術的検討を進めてきた。本技術検討においては、研究開発情報交換会等を通じて外部の意見等を取り込むとともに、国内外の専門家によるレビュー等も受けてきた。本検討書は、これらの検討結果を総合的に取りまとめたものである。本技術検討結果は、平成10年12月に原子力委員会原子力バックエンド対策専門部会に設置された「超ウラン核種を含む放射性廃棄物分科会」における審議の参考として適宜提供してきた。